御頭祭と御杖柱

 本日は諏訪大社上社の春の大祭であります御頭祭(酉の祭)が開催されました。御頭祭とは諏訪の古来からの信仰であったミシャグジ信仰からの流れをくんでいるいる神事で、数ある諏訪大社の神事の中でも特に重要で、又特殊な神事であります。

 最近はこの特殊な神事が世間からも注目を集めてきており、メディアをはじめ多くの見物客が集まるようになってきました。


 本日はあいにくの天気になってしまい、午後1時から本宮で始まった神事は強い風雨の中、さらに雷までもが加わり、まさしく春の嵐の中での神事となってしまいました。よほど普段からの行いに問題がある方がいらっしゃったのでしょうか、宮司さんをはじめ神事に集まった各地区の総代や、御頭郷の方々には大変お気の毒な事でございました。

 詳しい神事の事や、それに伴う固有名詞の説明はまた改めてさせて頂くとして、ここではこの神事になくてはならない「御杖柱(みつえばしら)」についてお話しをしたいと思います。

 御頭祭は、明治以降神輿に御霊代を乗せ、本宮から前宮へ一日遷座する形式になっており、神輿が神事の中心になっていますが、それ以前は御杖柱(上の写真の左奥、又下の左上の写真)が最も重要な神器でありました。

 御杖柱とは、五寸角の檜の柱を用い、ヤナギの葉、コブシの花、ジシャの花、檜の葉、柏の葉の五種の植物を飾り付けたもので、古代より信仰されていたミシャグジの神が憑く柱と云われており、これにさなぎと呼ばれる鉄鐸を吊るし、神を降ろして祭祀を行なうものでした。

 今では御霊代は神輿に乗っていることになっており、御杖柱は形式的なものになっていますが、歴史的なことを鑑みて見てみると大変に魅力のあるものであると感じました。目の前を通った瞬間、大変神々しく感じたのは私だけでしょうか。